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青木ヶ原樹海、レンジャー訓練で体験した怪談


恐怖!深夜の青木ヶ原樹海に頭蓋骨がコロリン!

 高島流砲術の管理人「まさひろ」です、毎回鉄砲隊絡みの話では・・・・と思いました。そこで季節は夏ど真ん中なので体験した実話妖(あやかし)話を一本、残暑お見舞いのつもりでアップし涼風を献上いたします。

★プロローグ★

 今から数十年前私が現役の自衛官時代の事です。レインジャー教育隊での第八想定は富士山の本栖湖を上陸用ボートで渡渉、その後に態勢を整えて青木ヶ原樹海に突入しコンパス行進にて方位を測りつつ前進をしていました。目標は富士風穴・・・・

★あやかしの樹海、月齢は13なのに★

 月齢は「13」とほぼ満月に近いはずなのに上空を見ても覆いかぶさってくる樹木で月明りは届かない真の闇、よく「鼻をつままれても解らない」と言いますがまさにそんな状態でした。いや、一つだけ光源はありました、隊員の顔が薄ぼんやりと照らされているのです、それはレンザティックコンパスに塗装された夜光塗料の発光の反射でした。  上陸地点から進むべき方位は3.450ミル、足元は歩きずらい苔むした溶岩帯でその上に枯れ枝が重なり踏みしめる半長靴の靴底で「バキッ!」と肋骨でも踏み抜いたような音がします。

★サッカーボールは乾いた音がするのか?★

 時刻は深夜零時をだいぶ回っていたと記憶しています。突然先頭を歩く隊員から「カッコーン!」と乾いた音が聞こえ、同時にその隊員の右足に蹴られた夜目にも分かる白黒のサッカーボールが地面をコロコロと転がっていき木の根元へゴール!、そこでまた木にあたって「カッコーン!」。「んーっ!何でサッカーボールが?しかも音が変???」と思い近寄ってよく見る私たち・・・・すると、えっ、ボールじゃない、なっ、何とシャレコウベではないですか。窪んだ目や鼻が黒く見えこちらを見つめています、でも遠目にはお馴染みのサッカーボールなのです。それはカッコーンと鳴りますわね!

 ★樹海の作戦会議は続く・・・・★

 周りを見ると傍には首から下の人骨も横たわっているコンプリート状態。しばらく絶句している私たち、すると教官(同行して訓練を統括する幹部)が「いいか、それを(シャレコウベを指さして)早く元に戻せ!次の目的地へ行くぞ」と一括。そこで骸骨シュートを決めた隊員がシャレコウベを拾い上げて人骨の所に持っていき首の部分に置いたのですが、「おい、チョット待て違うだろ、右を向いていたんじゃないか!」、とは他の隊員、「いいや、たしか左向きだ!」、「違う違う、真っ直ぐに上を向いていた!」と真夜中の樹海にいつ果てるともなく作戦会議は続きます。

★教官は言った「お前らいい加減にしろ」と★

 すると、「おっおい、お前らいい加減にしろ・・・・・今何時だと思ってんだ・・・・じ、時間がないんだ!」と教官の一括でようやく作戦会議終了、全員で合掌し現場を後にしたのでした。  怖くなかったかって?・・・・恐怖心ですか、恐怖ねー、レンジャー訓練隊は想像を絶する過酷な訓練を極めます、この時すでに数日間の不眠不休と極度の食料・水分制限で極限状態にあった部隊、この様な状態では必要のない恐怖の感覚は真っ先に失われるものなのです。 【追伸】  ご遺体の回収が気になると思いますので、その後の流れについてご説明いたします。携行している無線にてレンジャー本部へ遺体発見の連絡をし、地図上の座標も言って本部より警察へ連絡、そして回収へ・・・・この様な流れになります。

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