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火縄銃の火薬入れを作るの巻


 高島流砲術の管理人「まさひろ」です、火縄銃を撃つためには銃口(筒先)より黒色火薬を入れ、カルカと呼ばれる杖で内部に押し込みます。本来そのあとに弾をカルカにて押し込むのですが、実はこれだけでは引き金を引き火縄が火皿を叩いても発火はしません、火縄が叩く「火皿(下写真参照)」にごく少量の「発火薬」を入れて火皿に落ちた「火」を「火道」と呼ばれる穴を通して銃身内部に収められた火薬へと引火・誘爆させることによって射撃となるのです。我が会ではその発火薬(口薬:こうやく)を入れる「口薬入れ」を銃士は自作しています。正確には準自作なのですが。会の協力者である根付の彫刻師で板橋伝統工芸保存会の中村和明さんに象牙と牛角である程度まで概成(右写真の左側)していただき、その後は銃士がひたすら整形と磨きをいたします。やり方は水を入れた桶に概成口薬入れを漬けながら耐水ペーパーヤスリの粗目250番~500番~800番~1200番~2000番~2500番~仕上げの4000番と準に細かなヤスリで仕上げていくと写真(右写真の右側が仕上がり状態、左は仕上げ前)の様な光沢をもった口薬入れが完成するのです、面倒だからと言って上記のヤスリ工程で手を抜いてしまうと残念な結果の仕上がりになってしまいます。今も残る江戸時代の口薬入れはとても美しくそして凝った細工のモノが多くあります、昔の人はそういう処にオシャレをしていたのですね、私も自前の口薬入れは上写真の完成形を更に一手間加えて下写真の様に仕上げています。帯に吊るして使用するタイプで印籠の様に紐が通してあり、先端は象牙(東急ハンズで売っていた象牙屑を加工)で帯に差す「差し根付」にしました。使い方は組紐でつながっている蓋を取り口薬を入れる、口薬入れを手から放してぶら下げると蓋が組紐に導かれて自然に閉まるという便利な仕組みです。この細工は江戸時代の口薬入れをリスペクトして作りました。半日かけて作りましたが結構気に入っています。

※「口薬入れ」画像の白いところが象牙で黒いところが牛角です。

★自動で蓋が閉まるのをご覧ください。

私の「口薬入れ」はこんな感じになっています。

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